見つめられて


ぼくはサイクリングに出かけるとき、たいてい車道を走っているんだけど、
ごくたまに車から邪魔者扱いされたり、
車道を走ってはいけません的なことを注意されたりする。
それは、道の工事をしている人とか、白い旗をもって誘導する人なんかに多い。

昨日、サイクリング途中、瑞穂運動場あたり、
横断歩道の周辺を工事をしている場面に遭遇。
ぼくが信号でとまると、
白い旗をもって、工事区間を通る人を誘導するために立っている
おそらく20歳代前半の丸い男性、
顔も丸いし、体も丸く、しかも丸い銀縁眼鏡をかけた
のび太君系の若者が、
じっとぼくを見つめているのを感じた。

いや、なんだ、どうしたんだ、
と、そわそわしたけれども、無視して前を向いて、
でも気になって、ちらっと顔を向けると、
まだぼくを見つめている。しかも、すごく真剣な顔つきだ。
なんなんだよ、

すると、いきなり、その丸い若者が、
「わたりますかー」と甲高い声で叫んだのだ。
さらに、僕を見つめたまま、真顔で、
「わたりますかー」ともう一度叫んだ。
いや、わたるけど、
「わたるなら、横断歩道を通ってください」
丸い若者が、そう叫んだときに、信号が青に変わったので、
ぼくは、その言葉を無視して車道を直進した。

無視してしまって、ごめん、
ほんとうは、話を聞くべきだったかもしれないけど、
ちょっと怖かったし、、、

さらに、同じ日の夕方、
車を運転していて、信号で停車中、
信号が青に変わると思って、ちょっとアクセルを踏んでしまって、
でも、信号かまだ青に変わらず、
横断歩道に重なるくらい前に出てしまった。

そしたら、横を通ったママチャリに乗ったインド系の男性が、
じっと僕の顔を見つめているんだ。
そのインド人男性、走り去るまで、
大きな目で、ずーっと、ぼくの顔を見つめていた。 

見つめられるなあ、今日は。
いろいろ悪いことしちゃったからなあ、と
ほんの少しだけ自分を責めたのであった。

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