見事ながに股

ぼくは毎朝、午前8時過ぎにナゴヤ球場のあたりを車で通る。
ナゴヤドームじゃなくて、ナゴヤ球場ね。
事務所に通うためなんだけど、それはいいとして、
そのあたりで、ぼくはいつも見事ながに股と出会うんだ。
そのたびに、いやあ、美しいがに股だなあと感心する。

そのがに股の持ち主は30代後半から40代前半くらいの男性で、
スーツを着ているがネクタイは締めていない。
そのへんの企業に勤めているのだろうが、どんな仕事をしているのだろうか。
身長は175センチ前後、頭は丸刈り、顔は角ばっていて、目は吊り上がっている。
体を左右にねじりながら、歩く姿はまさに俺様状態。

でも、その俺様は右手に菓子パン、左手に缶コーヒーを持ち、
パンをぱくつきながら、ときどき缶コーヒーを口に運びながら、
それなのに、きっと鋭いまなざしを前に向け、見事ながに股で前進をつづけているのだ。
その姿はかっこいいというか、ちょっとユーモラスというか、、、

そのがに股の俺様が、ある寒い日、
赤いニット帽をがぶって、いつもと同じように歩いている姿を発見したとき
いやあ、なんてかわいいんだ
と、久しぶりにきゅんとしてしまった、、

今日はいい日になりそうだなあ
と、そのとき思った。

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