誰かが、どこかで、なにかをつくっている

ぼくが30歳代の頃、「手の仕事」という個人雑誌をつくって本屋さんに自分たちで配本していた。
名古屋周辺の職人やものをつくっている人、ちょっと変わった人たちを取材してまとめた雑誌だった。
最初のうちは、まだパソコンが普及する前で、自分で写植を張り付けて誌面をつくった。
10年ほど前、その雑誌で取材した何人かの人たちをまとて1冊の本をつくった。
「手の仕事の旅 名古屋」というタイトルで、サブタイトルが

誰かが、どこかで、なにかをつくっている

というものだった。
どうしてこういうサブタイトルを付けたかというと、
自然物を除いて、世の中のものすべては、誰かがつくったものだと気づいたからだった。
また、誰かが、どこかで、なにかをつくっているという情景を思い浮かべると、
とてもあたたかい気持ちになったからだった。

朝、希望とともに目がさめて、
目の前のことに一生懸命とりくんで
感謝とともに眠りにつく

もう一度、そんなふうに、ものをつくっている人たちの話を
ぽつぽつと、あまり急がずに聞きに行きたいなと思った。
30歳代の頃とは違った話が聞けるようになっているといいんだけどな。

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