「誰かが、どこかで、何かをつくっている」の体験版として、和菓子づくりに挑戦してきた、
和菓子づくり体験というのはあまり聞いたことがないので、なかなか貴重な体験である、、
体験してきたところは、一宮市木曽川町にある御菓子司 亀屋という和菓子屋さんである、
この亀屋は、昭和12年創業の和菓子屋さんで、戦争で一時中断はしていたものの、戦後に復活して、
現在は3代目の岩田高志さんが、店主として和菓子の製造販売をする一方で、
令和3年の店舗改装時に、専用の部屋を設けて、和菓子づくり体験を本格的にはじめた、、
食べるだけでなく、和菓子をつくるという楽しさを、木曽川町から発信していきたい、
そんな気持ちで和菓子づくり体験をはじめたそうだ、


ぼくは洋菓子よりも、断然和菓子である、、
チョコレートよりもあんこである、
カメラマンの筒井さんと木曽川町の亀屋の前で待ち合わせた、、
筒井さんも和菓子づくりを体験しますか? と聞くと、
ぼくは写真を撮影しないといけないので、、、、と真面目な応えが返ってきた、、
きっと筒井さんは不器用で、、いびつな和菓子になることを恐れているのだと推察したんだけれども、
ということは、ぼくひとりになんか集中してしまうなあ、、、
見られる中でつくるのはちょっと緊張するけれども、まあ、なんとかなるだろう、、
体験は初級コース、中級コース、上級コースにわかれていて、
ぼくが体験するのは練り切り和菓子3つをつくる初級コースである、
つくるのは菖蒲、薔薇、紫陽花の花3つ、
練り切りというのは、白あん(亀屋は白いんげん豆が原料)にお餅、山芋などのつなぎを加えて練った練り切りあんを使ったもので、、、、
季節の花などを形どった細工で、祝儀用・茶席用上生菓子として使うことが多い和菓子である、、、


いろんな色に着色されている練り切りあんで黒いあんこを包んで、、ヘラなどで細工をする、、
とにかく、教えてくれる店主の岩田高志さんが優しいのである、
いいですねえ、、、、順調です、うまいですよ、、、、ほんとに上手です、、
と、とにかく褒めてくれるのである、、
え、そうかなあ、、うん、確かにわりとうまくできているかもしれない、と、
自分でもそう思えてくるくらい、褒めてくれるのだった、、、
あまり褒められるのに慣れてないものだから照れてしまうほどである、、

もともとはPTAで頼まれて出張体験などをやっていたんですが、
コロナのときに店を改装したときに、この体験スペースをつくりました、、
ありがたいことに、今はむちゃくちゃ体験申し込みが増えてきました、、、
へえ、やっぱり、和菓子体験は珍しいですもんね、、、
最近は海外からの申込みもありますし、
愛知県内だけでなく、岐阜、三重、富山、関西などからも申込みがあります、、
土日は親子の方が多いですが、平日は大人同士の方が多いですね、、
和菓子屋は案外食うに困らないんです、
技術職だけれども、力がいるわけじゃないから、爺さん、婆さんの二人でもやっていけるんです、
そんな雑談をしているものだから、なかなか和菓子づくりが進まない、、、

練り切りあん、黒いあんこ、ともに柔らかい粘土のような感じで、
こんな言い方はちょっと間違っているかも知れないが、
幼稚園の頃の砂場遊びかドロ遊びみたいで、なんだか楽しい、
黒いあんこを着色された練り切りあんで包んで、ちょいちょいと細工をすると、
まさに薔薇に見えてくるから不思議である、、、
こうして、こうです、ああ、いいですね、お上手ですよ、、
ですよね、けっこう、うまくできてますよね、、
だんだん気分も良くなってくるのであった、、
最後の紫陽花は、ザルのような道具を使って、練り切りあんを押し込んで
つぶつぶの形状をつくる、
それを黒いあんこの上にまぶしていけば、おお、紫陽花である、、
最後に水滴をイメージした寒天を乗せて完成である、、


案の定、つくっている最中も、おしゃべりの筒井さんは、
いろいろ茶々を入れてくるのである、
小出さんがこんなに器用だとは思わなかった、、舐めてました、、
いや、それは褒め上手な岩田高志さんが教えているからである、、、
そのあとも、岩田高志さんのお嬢さんが「ぐっさん家」というテレビ番組のADとして働いていたと聞くと、
筒井さんもその番組にカメラマンとして関わっていたようで、
お目にかかっていたらいろいろ話ができたからもしれない、なんて調子のいいことを言ったり、
岩田さんがオートバイに乗っていると聞くと、オートバイマニアの筒井さんに火がついて、
話が止まらなくなったり、いつもの調子だなあと、ぼくは感慨深かったのである、、、


それにしても、和菓子づくり体験をして、自分が作った和菓子3つを持って帰れるし、
店内で岩田さんがつくった和菓子をお茶とともにいただけて、それで1500円はかなりお得である、、
いただいた岩田さんの和菓子は、褒め上手な岩田さんの人柄があんこの中に入っているような、、
そんなほっとした気分となる味である、、

また、亀屋はかき氷もかなりの人気らしい、一年中やっていて、夏には二時間待ちもあるほどだというから驚く、、
昔ながらの手回しの機械でつくるかき氷で、シロップはすべてオリジナルなものを使っている、、、
かき氷づくり体験もあるようだから、今度はかき氷だな、、
文 小出朝生 写真 筒井誠己
御菓子司 亀屋
愛知県一宮市木曽川町黒田字北宿二の切52 TEL 0586-86-4620
営業時間 8:00~19:00 定休日 木曜日
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