名古屋三越で開催されていた漆の器やアクセサリーの展示会、
作者の「もえ」さんがたまたまいたので、ちょっと、ふらっと雑談をしてきた、、、
顔を出さない、本名も出さないという条件で、掲載する許可をいただいた、、
もともと「もえ」さんは、ものをつくることが好きで、染織とか陶芸とかいろんなことを経験したけれども、
漆だけは、なぜか離れることができず、30年以上も漆作品をつくり続けているそうだ、、
なんか、そういう相性みたいなものって、きっとあるんだよな、人だけじゃなく、ものにも、、
木だけでなく、革や貝などへ漆を施し、アクセサリーをつくるという、
ちょっと変わった手法に挑戦しているのが楽しい、、
文・写真 小出朝生
──漆に出会ったのはいつ頃なんですか?
ずいぶん前ですので、ちょっと記憶がないくらいですけれど、、、もう35年ぐらいになるかしれませんね、
絵を描くことも好きだし、ものづくりが好きなんです、だから自然とそういう方向に向いていて、染織や陶芸とか、いろんなことをやってました、、
その中で、やっぱり漆はなかなか極めづらいというか、奥が深すぎちゃって、どんどんはまっていっちゃったというか、、
極めきれないから、続けてきちゃったっていうことですかね、、
──漆には、ほかにはない魅力があったんですね、、
漆はなかなか手強いっていうのがありまして、かぶれますし、、、漆の種類もたくさんあるので、、なかなか極め尽くせない感じがあって、「なんでだろう、なんでだろう」「こういう風にやるとどうなるのかな」って、、
やっぱり自分なりにやってみると、面白い自分流ができちゃうみたいなところがあるので、それが面白くて、


──例えば、こういうのって(アクセサリーなど)、あまりやってる人いないような、、
そうですね、自分でベースからつくってしまうのが好きなんです、、木を切って形を整えて、色漆というものを塗ったりしています、、
昔は色を全部自分で練ってつくったんです、、だけど今は漆屋さんでいろいろなものを売っているので、だいぶ楽になりました、、この黄色もそうですけれど、昔は練りながらつくったんですが、、、、今はわりと簡単に色漆が手に入るので、それを使う方が面白いって感じになってきました、、
──漆というと、まずお椀みたいなイメージが浮かぶんですが、、
最初はお皿をつくって、拭き漆(ふきうるし)をやったり、、それから塗りとかもやり始めて、、そういう練習しつつ、だんだん楽しくなってくると、小物づくりに発展してしまったところはあります、、


──今は小物やアクセサリーをつくることが多いですか?
今はなるべく、、その、、いわゆる古典的なものとは違う方向にしたいなということもありまして、ちょっと変わった素材のベースに塗ってみたいなっていうのもあったりして、、貝とかそういう変わった素材にも塗っています、、これは革で、あちらも革です、、
どんな素材でも味わいが出るのが面白いので、一見するとちょっと端切れみたいに見えちゃうかもしれないんですけど、なるべく面白く、リラックスしてつけられるようにということで、、、ただし、、完成度が足りないかもしれないですね、ひょっとしたら、、

──値段、思った以上に安いですね、、
本当はこんな値段で出しちゃいけないかもしれないけど、、漆の世界はとても高価ですから、、だけど、今回は遊び的な感覚で、気軽につけていただけるって感じのものづくりで、、やっぱり面白いからついついつくってしまったっていうことがあるので、、
──あちらの(本格的な)作品は、器のボディから全部作るんですか?
つくる時もあるんですけど、ベースは買ったものです。買ったものに漆をかけるだけでも相当時間がかかって、何回も何回もやらなきゃいけない、、金も使っちゃっているし、やっぱり甘いものじゃないっていう感じで、、、、
──ちなみに漆はどこで買われてますか?
あのね、輪島や東北から取り寄せたり、あと京都からも、東京からもありますし、いろんなところでありますね。
調合してある漆屋さんから買います、、、、ちょうどいい加減に塗りやすいように調合する人が各地におられるんです、、
──名古屋にもあったんですか?
そうそう、名古屋にもあったんですけど、やめられて、、、筆屋さん、金具屋さんもあったのにやめられてしまって、、、だからもう、金沢、京都、東京から取り寄せたりしています、、

──こういうアクセサリーだったら欲しい人はたくさんいそうな気がします、、
なるべく今の時代にあったような、若い人にも少し認めてもらえるような、そういうものをつくっていきたいなと思いつつも、やっぱりちょっと古典の方向に向いてしまいますね、、それがちょっと自分の中では嫌だなって感じがしていますので、なるべくちょっと違う系統——例えばアクセサリーの中でもちょっとキラキラしたもの、本物の石みたいなものも使っていけたらいいなっていう感じはしてますけれど、まだ完成されていないですね、、まだ過渡期みたいな感じです、、
──ご自身で感じている作品の傾向みたいなことは?
前に一度どこかで、男の人に「男の人にも向くよね」とか「もののけ姫みたいだね」とか「千と千尋の神隠しの感じがあるよね」って言われたことがありますけれど、、、ああいうちょっと別世界——ゲゲゲの鬼太郎じゃないけど、なんとなくそういうちょっと変わった雰囲気があるのかなとは思いますけれど、、
確かにそう言われるとそうです、、なんか古代っぽい感じがするみたいですね、、
──特に意識してやっているわけではなく?
たまたまやってたらそういう風になっちゃったみたいなところがあります、、ちょっと変わったものをベースに使っちゃおうみたいなところもあるので、いわゆるちゃんとした素敵なアクセサリーだね、キラキラだね、っていうのとはちょっと違っちゃうかもしれませんね、、ちょっとクラシックな感じがどうしてもしちゃうので、
漆だから光る必要はないので、マット(艶消し)もいいなっていう風に思っていますし、例えばこちらの(作品)も、塗り重ねているんです、、


──漆の魅力を端的に言うと何ですか?
漆の艶だとか、素材の力みたいなのはあると思うんです、、それはもう脈々と過去からずっと続いてきた、漆というものが持つ力なのかもしれないけれど、、やっぱり素材の力って大きいと思うんですよね、、だけど、それを生かしきれるかどうかはなかなか難しいところがあります、、
わたしが漆に惹かれたのは、なんでしょうね、、、本当に不思議です、自分でもよくわかんないです、もうそうなってっちゃったんですね、、そうそう、それしか言いようがないです、、
だけど私は漆そのものが全部好きですので、染織も未だに好きだし、革をつくるのも好きだし、もう色々好きです、、だから好きなことをやっていることが幸せ、没頭して作っていることが幸せ、みたいな感じで、、
でも、もし教えてあげられる人があったら、一生懸命教えてあげて、面白さに気づいてくれたら嬉しい、やりたいっていう人には、親戚であろうがなんであろうが教えてあげて、育っていただければ——育つっていうと変ですけど、こういう漆の世界があるよって教えてあげたいなっていう感じはちょっとあります、、
応援してね♡

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