よく歩いていたころ、

自転車に乗っていると、歩いている時よりも、
空気の違いを敏感に感じ取ることができる。
JRの下をくぐる小さなトンネルの中を通るときには
すっと、ひんやりとするし、
風が肌に触れる感触が
ペダルを漕ぐたびに違っていくのを感じる。

たぶん、それは自転車のスピードが
今のぼくの思考のリズムと合っているからだと思う。

でも、昔はよく歩いていた。
まだ20代の頃、
今から考えると、なんであんなに歩いていたんだろうと、
不思議に思うくらい、
とにかく、どこにいても、歩き回っていた。

大学生の頃、下宿から大学までは、
ほぼ歩いていた。
30分から40分くらいだろうか、、
朝、下宿を出ると、わざと遠回りとなる
お気に入りの道を歩いた。
川を渡って、森の中に入ると、
エゾリスが走り回っているのをよく見かけた。

それから、無断で帯広農業高校の敷地内を通って、
広い道に出てしばらく歩くと、
帯広畜産大学の正門に、
でも、そこからまだ歩かないと大学の建物へは
たどり着けなかった。

歩いている途中、
もう今日の講義はいいや、という気持ちになったら、
川のそばに寝そべったり、
石を投げたりして時間をつぶした、

今年、大学時代の友人の加納に会ってから
ときどき大学時代のことを思い出すようになった、
そういや、あんなことあったなあ、と。
あの頃、よく歩いていたなあ、と。
加納は相変わらず元気だなあ、と。

あれ、何の話をしていたんだっけ、、、、
そうそう、歩いていた話なんだけど、
大学卒業後も、ぼくは常に歩いていた。
でも、そのことはまた次の機会に、


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