ミニスカートの女性

職場に向かうために
歩いて坂道を下っていると、
どんどんどんという足音とともに、
なにかが近づいてくる気配がした。
ぼくはちょっと左によって、
お先にどうぞと道を譲った、

足音が男性のようだったから、
てっきり男性が急いで
横を抜かしていくものと思っていたら、
ぼくの横を抜いていったのは
ベージュのミニスカートの女性だった。

顔は見えなかったけど、
20歳代後半から30歳代前半くらい、
黒いサングラスをしているようだ、
背はそれほど高くない。
スニーカーを履いていて、
坂道で急いでいるから、
力強く地面を踏むことになったのだろう。
ああ、
それで、あんなに、どんどんどんという足音だったんだ、、、

とにかく急いでいるようで
ぼくはどんどん離されていく。

その女性が、、一瞬、歩くスピードを落とし、
マンションの入り口のガラス扉に写った自分の姿を
横を向いて、サングラス越しに見つめた。
そして、お尻をキュッと上げて、
手でミニスカートを下に引っ張って整えた、

それから、またすぐに前を向き、
すごい早歩きで進んで
地下鉄の入り口に消えていった、

入れ替わるように
地下鉄の入り口から出てきた別の女性は、
40歳くらいかなあ、、
今日は曇りなんだけど、
日傘を急いで取り出して、
パッとひろげた、

ぼくは、小さな声で、
日差しなんてないと思うけど、
とつぶやいた。
もし、この声が聞こえていたら、
キッと睨まれるか、
しょぼくれた姿で歩いてるんじゃあないわよ、と
非難されていたかもなあ、

そんなことを想像すると、
ふっと、おかしくなり、
ぼくは少し気分が晴れやかになった。

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