女性の内なるもの

自転車通勤途中、鬼まんじゅうの餅勘の前を通ると
まだ店は開いていなかったけれども、
店の勝手口というか裏口というか、
そこから、
タイトなジーンズにラフな白いシャツを着た
小柄な女性が
ゴミを出しているところだった、

あんなおしゃれな雰囲気の女性、
餅勘にいたっけ?
と、思って、ちらっと顔を見てみると、
なんと、いつも対応してくれる
おばあさんじゃないか!
え、もうなんか、
ぼくの頭は混乱してしまった、

いつもは割烹着に頭巾という
いかにも老舗のおまんじゅう屋さんの
もうすっかり枯れたおばあさん
だけど、しっかりしているおばあさん、
という雰囲気なのに、
顔を見なければ、
タントなジーンズに
ラフな白いシャツの後ろ姿は
なんか妖艶な感じさえある、
しかも、ずいぶん若々しい雰囲気だ

いや、あのおばあさんに
妖艶さなんて、いやだ、ちがう、
これが正直な気持ちだけれども、
なんなんだろう、この現実、

とくに、女性は、服装によって、
こんなにも雰囲気が変わるものなのだろうか、、
でも、服装だけではないような気もするしなあ、
もうわけがわからない

服装が、その女性の内なるものを
引き出すというか、
そんな感じかなあ、
となると、
あのおばあさんの内のどこかに
妖艶さが潜んでいるということだろうか、

いや、なんか、
女性の怖さの一面を見たような気がして、
今度、鬼まんじゅうを買うとき
どきどきしてしまうなあ、、

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