横断歩道・人間模様

今日の11時頃、広小路通りの中区役所あたりを軽自動車で通ると、
中央分離帯に黄色のチューリップが奇麗に咲いていた。
ココイチ創業者の宗次さんたちがお手入れしているおかげだな。
ちょうど信号が赤になり、先頭で停車。チューリップをゆっくり眺めることができた。
目の前の横断歩道を
黒色のフードを頭からかぶった若い男性の腕にしがみついて歩く
黒いキャスケットをかぶった若い女性。二人とも雰囲気が似ているなあ。
黄色のチューリップとのコントラストがいい感じだ。

そろそろ信号が変わろうとしているにもかかわらず、
悠然と歩く白髪のおばあさん。
自分の心のなかだけに集中しているように前を向ている。
信号変わっちゃったよ、おばあさん、
だけど、みんな車を発進させることはできない。
おばあさんが歩道にたどり着くまでは。
黄色のチューリップが見守っている、そんな気がした。

二つの前の信号でも、先頭で停車した。かつての丸栄のあたり。
なんかスカートのようなものをはいて歩く男性がいたな。
髪は金のメッシュが入っていて、服は全身黒だった。
かっこいいのかどうかわからないが、なんかイケてる感はあったなあ。

その隣にいたおじさんも、イケてる感を出していた。
ベージュのダボついたズボンをはいて、
上は派手な花柄のシャツにグレーのジャンパーを羽織っていた。髪は白髪。
まだ信号が変わる前から、横断歩道を渡ろうとして、
足を一歩前に出すものの、信号が変わらないから戻り、
だけど早く渡りたいから、また一歩前へ、だけど戻り、
その一連の動きがチャップリンのようだった。ズボンがだぶだぶだったからね。

そういえば、魔界、改め魔界じゃないかもしれない伏見の信号でも先頭で停車した。
杖をついたおばあさんが横断歩道を渡っていた。
だいぶ足が曲がっていたなあ。
気を付けて、伏見は魔界じゃないかもしれないけど、
何があるかわからないから。
ぼくはずっとおばあさんの後ろ姿を追っていた。

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