男子高校生5人組とラーメンとぼく

行列ができているラーメン店の前を自転車で通った時、
ちょうどお昼時だったし、
ラーメンでも食ってくか、と思って、
列の最後に並んだ。

ぼくの前には男子高校生5人組と
若い女性一人の計6人が並んでいた、
どうもこのラーメン店は
二郎系のところのようで、
(知らずに並んじゃったが、、、)
大丈夫か、おれ、と一瞬やめようか迷ったけれど、
まあ、並んでしまったし、
こんな華奢な女性でも並んでいるんで、
ま、大丈夫だろ、と、、、

男子高校生5人組が先に呼ばれて
それから女性、
そのあと、ちょっとしてから、ぼくが呼ばれて
カウンター席に座って、
ラーメンの匂いをかいだ時、こりゃだめかも、
食べられないかもしれない、と感じた、
まったく食欲がそそられない匂いだったのだ、

男子高校生5人組は、
僕の目の前のカウンター席に並んで座っていた。
みんな日焼けをしていて、
そのうち二人はニキビ面、
ラーメンが出来上がるのを待っているあいだ、
奥の厨房をのぞいて、
お互いに目を合わせて、くすくすと笑ったりしている、
厨房をじっと見つめている笑顔が、
なんだか、かわいくてしかたがなかった、
高校生だなあ、という感じ、

そのあと、ぼくの隣に座っていた
若い男性の2人組に対して、
店長が、
無理して食べなくてもいいから、
残してもぜんぜんいいけど、
食べずにずっと座っているのだけはやめて、
と注意した。

そんなこと言うんだ、と、
ぼくは驚いたけど、

向かいに座っている
男子高校生5人組は、
一瞬、黙ってしまったけど、
しばらくしたら、
今度は口をつぐんだまま、
お互いに目配せしながら、
声を出さずに、くすくすと笑っていた。

なんだか、
学校の先生に怒られたあとの
男子生徒みたいだなあ、
と、ぼくは、その姿がおかしくてしかたがなかった、

結局、ぼくはラーメンを食べきれずに、
だいぶ残してしまったけれども、
ぼくの先に入った華奢な女性も、
もちろん、男子高校生5人も、
しっかり食べきっていた、
さすがだな、やっぱ、

高校生の頃の、
友達と一緒に過ごした時間、空気、匂い、音、
ぼくは、それらを久しぶりに思い出していた、

ラーメンはもういいけど、、、

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