続続続・よく歩いていたころ、

車に乗るようになって、
歩くことはかなり減ってしまった、
18歳から20代後半にかけて、
なんであんなに歩いてばかりいたんだろうかと、
今では不思議に感じる。

当時の気持ちが思い出せない、
ただ、他にやることがなかった
思いつかなかったのだ、たぶん、
それとともに孤独だったのだろう、
やることがない時間はたくさんあるのに、
ちっとも自由じゃなかった、、

その後、ぼくは日本陶業新聞社という
陶磁器産業の業界紙へ転職して
ちょっと違った視点から
この地域の陶磁器産業に関わっていくことになった、
それから、自分で雑誌を発行して
自ら本屋さんへ配本をするようになって、
あちこち動き回るようになった

でも、それは歩くわけではなく、
ほとんど車だった、
そのあと、業界紙をやめてフリーランスとなったが、
同じように移動はすべて車だった、
歩いていた時代を、
すっかり忘れていた、

今、思い出すのは
歩いていたなあ、
ほんと、よく歩いていたなあ、
ということ、、、

大学時代、お酒を飲んだ後、
帯広駅前から下宿まで
一緒に歩いた折原君は、いまどうしているだろうか、

ぼくを登山へと導いた
年上の友人である小林さんは
長野で元気に暮らしているだろうか、

名古屋や京都の町を遅くまで一緒に飲み歩いた
齋藤君は、
天国でもお酒を飲んでいるんだろうな、きっと

考えてみれば、
ぼくは一人でもよく歩いていたが、
友だちとも一緒に歩いていた、
思いつめたように歩いていた時もあるが、
友だちと笑いながら
歩いていた時もあったんだ、

いま、思い出したけれども、
友だちと笑いながら歩いたことも多かった、
なんで忘れていたんだろう、、

あの頃、歩いていたのは
ぼくも友人たちも、
こことは違った場所へと
飛び出したかったんじゃないだろうか、

自分の足で、行きたかったんだ、
そんな場所へ、
それぞれの場所へ、

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