子供は風の子

自転車で通勤中、ぼくの母校へ通っているであろう
男子小学生がお父さんと二人で学校へ向かっていた、
おそらくちょっと遅れてしまったのかな、、、
お父さんはダウンジャケットを着て暖かそうだが、
息子の小学生は、なんと、半袖Tシャツ姿なのであった、

子供は風の子

子どもはどんなに寒いときでも元気に外で遊びまわるものだけれども、
それでもさ、半袖Tシャツは寒くないのかい、、
お父さんと二人で楽しそうに話していたから、
寒くないんだろうなあ、、、
やっぱ、子どもはすごいなあ、、

一方、
しばらくすると、
大きな団地から出て来た女子小学生がひとり、
とぼとぼと歩いている、
こちらも遅刻組なんだろうけど、
メガネをかけて黄色い帽子をかぶった女の子は、
下を向いて、
まさにしょんぼりという感じで、
重たい足をやっとこさ前に出している、

どうしたんだろうか、
小学生は小学生でいろいろ大変なこともあるだろうけど、
ま、しょうがないよ、そういうときもあるよな、
お母さんに怒られたのかなあ、
いつまで寝てるの! とか、
で、遅刻かあ、、

子どもは今の気持ちを隠さずに表に出す、
いや隠すという所作を知らないといったほうがいいか、、
寒くても自分が気持ちいいと思ったら半袖Tシャツを着るし、
怒られたらとぼとぼ歩く、
自慢したいときは自慢するし、悲しい時には泣く、
その体いっぱい全力で生きている感じが、とてもかわいい、

いつごろまでだろうか、それが許されるのは、、

自分が気持ちいいからといって、ずっと半袖で過ごすことはできないし、
しょんぼりしたからといって、あからさまにやる気をなくすのは許されない、
自慢しても称賛されずに、たいていはバカにされるし、
泣くときは一人の時じゃなければいけない、

そんなふうに自分を律してばかりいると、
どんどん生きている実感が薄れていく、

たぶん本当の人生はそこから始まっていく、、
自分を律していた殻を少しずつはがしていって、
半袖Tシャツを着ていた自分へ、
怒られた時にはしょんぼりと歩く自分へ、、
ちょっとずつ戻っていく、
たぶん、それはとてもつらい経験をたくさん経て、、
もう一度戻っていく道のりだ、、

それまで獲得したものを、
少しずつ捨て去っていく過程と言い換えてもいいかもしれない、、、

そのかわり、ちょっとずつ生きている実感を取り戻していく、
もう一度、風の子へ戻っていく、

(画像はAIによる)

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