地下鉄・人物・風景

久しぶりに名古屋の地下鉄に乗車、
覚王山の駅のホームで電車が来るのを待っていると、
足の曲がったおばあさんが歩いてきて、
椅子に座っているおばあさんに、
すみません、と声をかけた、
すると、すわっているおばあさんが、
あ、すみません、すみません、と言って
左にずれて、座るスペースをあけた、

足の曲がったおばあさんは、
あ、いや、と手で、そうじゃないという意思を示して、
あの、ロピアというスーパーは
栄のどのあたりにありますかね、
なんか、肉なんかが
すごく安く売っているスーパーらしいんですけど、
と声をかけた、

すると、座っていたおばあさんが、
あ、栄に新しくできたビルがあって、
そこの地下にありますよ、
肉の専門店が、、、

ロピアというスーパーなんですけど、
肉がすごく安くて、、、
ビルの地下ですか、、

いや、ロピアという名前だったか、、、
でも、肉の専門店なんですけど、

二人のおばあさんが、
そんな壊滅的なやり取りをしていると、
そこに新たなおばあさんが加わって、
ロピアは千種駅の近くだったはずですよ、、
と救いの手を差し伸べた、

ぼくは、あーよかった、と胸をなでおろした、
そのあとも、三人のおばあさんの会話は続いていたが、
足の曲がったおばあさんが、
無事にロピアにたどり着けるように祈ろう、、、

矢場町で降りて、
松坂屋で待ち合わせていた吉川さんと会って、
近くのコメダで2時間ほど話したのち別れて、
再び地下鉄へ、

白い中折れハットに白いひげを生やし
スーツを決めていて、
ダンヒルの紙袋を持った、
70歳くらいの男性と一緒に電車に乗り込んで、
席に座ると、次の駅でぼくの隣りへ
40歳くらいのオジサンが密着するように
座ってきた、

で、一呼吸おいてから、
ちょっと甲高い声で、
暑いですねー、と声をかけてきたのだ、

地下鉄で見知らぬオジサンから
意味のない声を掛けられる恐怖を
あなたは感じたことがあるだろうか、、
ぼくは無視をして、
何食わぬ顔で座り続けたが、
降りるまで気が気じゃなかったなあ、、

おばあさんなら、そんなに怖くないのに、
オジサンは、なんで怖いんだろう、、、
とくに、質問ではなく、
何気ない挨拶が一番怖い、、

地下鉄出口への階段をのぼっているときに、
前をのぼるミニスカートの若い女性が、
鞄でお尻を抑えながらのぼっていて、
なぜか、ぼくは懐かしいなあ、と感じてしまった
なんでだろう?
いろいろ、よくわからんな、、、

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