町内会長の浅井さんは非常に几帳面な反面、
堅物でとっつきにくいというわけではなく、気さくに話しやすい雰囲気がある。
75歳という年齢にしては、わりと周りと協調していこうという感じあるのではないだろうか。
いつも帽子をかぶっていて、たまに道ですれ違うと
あ、どうも、と話しかけてくれる。
まあ、ぼくが副会長だからということもあるだろうけど。
先日、次期役員をお願いするために、
近所の数軒を一緒に回ったとき、
ここの家の人はね、前回、役員をお願いしにいくと、
来月から大阪に転勤なんだと言われて、
でも、そのあともずっと道で見かけるんだ、
ここの家は自営でね、
昼間はいつもいるけど、夜はどうかなあ、
昼間はパートのおばさんがドアのそばに座っているんだけど、、
ここの家の人は、ほとんど家にいないから組長ができないと言われてね
だったらご自分で隣の人に組長をお願いしてくださいというと、
そんなこともしないといけないのかね、と言われてしまってねえ、、、
そういう話を聞きながら、
いろいろ大変なんだなあ、会長って
副会長でよかった、とか、
ぼくは、そんなことを思っていた。
次期役員は案外すんなりと決まった。
いつもは何軒も断られて、どうしようと悩んで
またあの人にお願いしようか、なんてことがほとんどなんだけど、
次期役員は随分と若返る。
若い人の方がむしろ町内会の活動に対する抵抗感がないのかなあ、、
これで、ぼくは副会長をお役御免となるが、
浅井さんは次期も会長を続ける。
がんばってね、浅井さん。