自宅近くを運転中、
目の前の交差点が赤信号に変わったので、
ぼくは運転していた車を停止した。
対向車線には、右折しようとしている車が1台、
が、動かない、
ここの交差点は右折専用レーンがないため、
右折車は交差点の中間あたりで待機して、
対向車線が来なくなったら、
素早く右折するという感じなのだが、、、
結構、交通量が多い道だから、
信号が青から黄色に変わって、
対向車線が停止したときに、
素早く右折しないと、
なかなか右折できない状況になりやすい、、
対向車線にいた右折車は、
まさに、いま、このチャンスに右折しないと、
もう一度、目の前の信号が青になって、
それから黄色に変わるまで待たなければならないことになる。
なんで動かないんだ?
右折しようと対向車線に停まっている運転席を
凝視してみると、、
おじいさんが運転して、
そのとなりにおばあさんが座っているのが見えた、
なんだか、二人とものんびりした顔をしている、
二人の顔を見たとき、
こりゃ、一生、右折できないかもしれないなあ、
そう思って、
一瞬のうちに、そんな事態を想像してみた、
二人は、右折できずに、
ずっと車の中、
そのうち日が暮れてきて、
真っ暗になっても車の中、
また日が昇っても、まだ右折できず
ずっと車の中にいた、
次の日、おばあさんが言う、
じいさん、なかなか曲がれないねえ、
うん、
じいさん、お腹すかないかね、
ちょっとすいたなあ、
ほれ、握り飯があるから、これでも食え、
うん、
そんな会話をしても、
まだ右折できない、、
おじいさんとおばあさんは、
いつになったら右折できるのか?
そんな空想をしていると、
目の前の信号が青になったので、
ぼくは発進して、バックミラーで
おじいさんとおんばあさんの車を確認した、
ほんと、ちゃんと右折できるといいけど、、、
ぼくはそんなことを思いながら、
楽しくて、あたたかい気持ちになって、
いつの間にか、ふふ、と車の中でほほえんでいた、、