ぼくのうちには
青い目の猫がいる。
警戒心が強くて、
自由気ままで、
たまに、
かすかに甘える。
１年間ストリートで暮らしていて、
そのあいだに、子どもも生んで、
それから、ぼくのうちに来た。
１歳くらいの時、
はじめてうちに来た時には、
白い毛並みだったが、
今は少し黄土色が増えてきたようだ。
あれから３年がたった。
外を眺めるのが好きで、
道路に面している
ぼくの部屋の出窓に
礼儀正しくすわって、
よく外を眺めている。
今朝も、ぼくが出かけるときに
出窓にすわって外を眺めていた。
ぼくが
おーい、と叫んで手を振っても、
なんだこいつ、という感じで、
笑いもせず、
鳴きもせず、
大きな青い目でぼくを見ていた。
それから
ぼくは軽自動車で出勤、
途中、がに股野郎に
よっ、と挨拶してから、
よく晴れた青い空に向かって
アクセルを踏んだ。
