九谷赤絵入門講座に参加

なんか絵の具に混ぜるニカワみたいなものを溶かしている加藤豊子さんの手

名古屋陶磁器会館ではじまった九谷赤絵入門講座である、、
なんとなくおもしろそうという安易な理由でちょっと参加してみることにしたのだけれども、、
なかなか本格的な赤絵講座のようで、、そんなに安易な気持ちで皿に絵を描いて帰ることはできないのだった、、、
講師の加藤豊子さんは気さくでなかなかおちゃめな性格だから、
参加者の雰囲気も和気あいあいのような、そうでないような、
ぼく以外は全員女性だから、ぼくがちょっと異質であることは確かだった、、、

豊子さんに写真撮ってもいいですか? と聞くと、いやだ、と笑顔で返されてしまった、、、
仕方がないので、手だけ、あとは自分のまわりだけの撮影にした、

ぼくは多治見の陶磁器意匠研究所というところを出ているのだけれども、
そこは、いまはだいぶ陶芸家の育成に力を入れるようになっているようだが、
当時は美濃の陶磁器産業に貢献する人材を育成するというような感じで、
上絵付の授業もなかなか力を入れていた、、
絵の具をガラスの上で擦る作業も、そういえばやったような気がする、、、
九谷赤絵の具を擦る作業をしながら昔の記憶が蘇ってきた、、

こんなふうに絵の具を擦るも久しぶりだ

ぼくは大学を卒業してから意匠研究所へはいったけれども、そのほかに、
中学を卒業してからはいってきたシンコーとか、
高校を卒業してから入ってきた地元窯元や陶器関係の息子たちとか、
ぼくと同じように大学を卒業して入ってきた陽気な野郎(柴田のこと)とか、
あと一人だけ、女子がいた、、
たしか短大を卒業したお嬢様のような女子だった、、

なんか今から考えると、、、不思議な集まりである、、
授業は、きわめてルーズな雰囲気で、何かを学んでいるようで学んでいないようで、
よくわからない時間が流れていた、、
先生たちも、それまでの高校、大学の先生たちとは明らかにちがっていて、、、
より距離が近いというか、そこらにいるおじさんというか、普通の社会人の大人というか、、、
普通じゃない社会人の大人というか、、、

ガラスで赤絵の具を擦りながら、そんなことが頭に浮かんでは消えていたが、
和絵具をニカワで溶いて、、皿に上絵付けをする授業で、たしか安藤先生だったと思うけれども、
すごく褒められたことがあったような気がする、、
あれは筆の使い方を褒められたのか、、絵付けを褒められたのか、、
遠い遠い昔の話である、、

南海園のランチ、安くてうまい、その日はイカの天ぷら

九谷赤絵入門講座は、午前10時から午後3時まで続くので、1時間の昼休憩がある、、
(この日、仕事は休んだ、、)
昼休憩のとき、歩いて南海園まで昼食を食べに行った、、
名古屋陶磁器会館内にあった業界新聞に勤めていたころ、
よくこうやって歩いて南海園まで昼食を食べに行ったなあ、と、これまた昔を思い出した、、
どうも年を取ると、なにかにつけて昔を思い出すものらしい、、
南海園の大将の「あーっ」という、ありがとうなのか何なのかわからないけれども、
何となく伝わる気持ちの挨拶を交わして店を出て、、
ちょっとふらっと界隈を歩いていると、ああ、こんな古風な家があったんだと、新たな発見をした、、
長年通った道なんだけれども、気づかないというか、見ていなかった景色が、
いろいろあったんだなあと実感したのであった、、
慣れ親しんだ景色でも、時間の経過とともに見え方は変わるものである、、

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてください

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次