鈴木バイオリンが大府に帰ってきた!

その後、経営的にはいろいろ大変だったと予想されるものの、
千種区の仮住まいを経て、かつて「楽器生産の村」をつくりたいという夢を見た大府の地へ、
2021年、再び鈴木バイオリン製造が帰ってきた、、

鈴木バイオリンの職人
鈴木バイオリンの職人
鈴木バイオリンの職人
鈴木バイオリンの職人

職人の方は4名。写真には写っていないけれども、もうひとり、イタリアでバイオリンづくりを学んできた20歳の女性がいる。どの職人の方もバイオリンづくりにはよい環境だと話していた

大府をバイオリンの街へ

現在は創業者である政吉さんの親族は経営から退いて、
今年37歳となる小野田祐真さんが代表取締役社長に就任して、経営再建に取り組んでいる。
この小野田さん、一見、優しそうな青年にしか見えないのだが、なかなかすごい人なのだった、
ちょっとネットから拾った経歴を紹介しておこう、

愛知県豊田市生まれで、大学で金融工学を専攻し卒業後、トヨタ系列や外資企業でM&Aや財務戦略に携わる。
2019年、31歳の時に多額の債務を抱え倒産寸前だった「鈴木バイオリン製造」に入社し経営再建に着手。
高品質でありながらも、リーズナブルで分かりやすい価格設定や海外展開など独自のブランド戦略によって事業再生を成し遂げた。3 歳からスズキ・メソードでバイオリンを始め、今も演奏家としてステージに立つ。

鈴木バイオリンの塗装
鈴木バイオリンの工房

工房は2階建てになっていて、1階には塗装の部屋もある。塗装は透明度の高いニスと天然樹脂をブレンドするが、どんなニスや天然樹脂を使っているかは極秘。季節や湿度温度でブレンドの量や種類は変化するという。良いニスは見た目だけでなく、音にもいい

鈴木バイオリン製造の大府移転も、小野田さんがいなければ実現しなかったはずだ、
大府市との連携も進んでいて、
世界的にも名の知られている鈴木バイオリン製造が大府市に移転したことによって、
大府市は「バイオリンの里」構想に着手、
鈴木バイオリン製造から小学生サイズのバイオリン40丁を調達し、市内の全公立小学校でバイオリンの授業をスタートしたほか、
世界的なバイオリニストである竹澤恭子さんや水野紗希さんが大府市出身で、広報大使を務めていることから、
お二人による小中学校訪問コンサートや市民向けの屋外コンサート、夜市での演奏パフォーマンスイベントも実施している、

知らないうちに、大府がバイオリンの里になろうとしている、すごいなあ、、、

小野田さんは見かけによらず、かなり熱い人のようだ、

鈴木バイオリンのバイオリン
鈴木バイオリンのバイオリン

バイオリンの顔の一つであるネックの部分のスクロール(渦巻き状の部分)の出来具合はバイオリン美しさを左右する重要な要素

鈴木バイオリンのバイオリン
鈴木バイオリンのバイオリン
鈴木バイオリンのバイオリン製造工程

バイオリンの裏板、側板、ネックにはメイプル(楓)、表板にはスプルース(松)を使う。表板と裏板は、それぞれ自作のカンナで削り、厚みを調整していく。削る部分のそれぞれのカーブに合った数種類のカンナを使い分け、板の起伏をつくりあげる

大府の工場、というか工房と言ったほうがいいのかもしれないけれども、
もともとはレストランだった建物を改装したようで、
中川区の工場に比べると小ぢんまりとして、きれいで機能的な感じになった、
移転は職人の方たちにとっても大変な作業だったはずである、
工場長の谷口さんは退職されたようだけれども、お元気だとうかがった、、

現在、職人の方は4名で、
中川区の工場のころは分業体制だったけれども、
今は一人の職人の方が最初から最後まで一つのバイオリンを製造するようになったそうだ、、
イタリアのバイオリンづくりを学ぶ専門学校を出た、まだ20歳の女性も新たに入社し、
鈴木バイオリン製造は新たなスタートを切ったという感じが伝わってきた、、

鈴木バイオリンのバイオリン
鈴木バイオリンのバイオリン
鈴木バイオリンのバイオリン

若い小野田さんと職人の方たちが、これからどんなバイオリンをつくり、鈴木バイオリン製造がどんな会社になっていくのか、とても楽しみだ。それと大府市、バイオリンの街、もしその活動が広がっていったら、なんて素敵なんだろうと思った、、

100年以上続いている企業が、しかも世界的にも有名な老舗企業が、
新たに生まれ変わるというのは大変なことだ、、
でも、何か明るさが、、、
職人の方々のバイオリンに向き合っている姿を見ていると、
すでに明るい未来が見えているように感じる、

新しい挑戦は、やはり、いったんゼロになって、
そこから始めなきゃ、
そうじゃなきゃだめだよなあ、と
ぼくは自分に言い聞かせていたのだった、、、

鈴木バイオリンの体験プログラム
鈴木バイオリンの体験プログラム

2024年7月に、鈴木バイオリン製造がジブリパークの関連周遊施設に認定された。それを受けて、施設内見学がセットになった製作体験プログラム(要予約)を実施するようになった。ぼくもその体験に申し込んで、バイオリンの弦を支えるブリッジへ塗装をして、それをキーホルダーにしてもらった

🔸鈴木バイオリン製造株式会社
 愛知県大府市桃山町二丁目23-1

文 小出朝生    写真 筒井誠己




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