もうひとり、というか、もうふたり、
ぼくにとって、ちょっと衝撃的だったのは、
それまで出会ってきた人間の中で全く異質な
設計士のふたり、バタッチとヤマッチだった、
ふたりは名古屋陶磁器会館の2階で、
設計事務所を設立して独立したばかりで、
ぼくよりも1歳年上だった。
とにかく、ふたりとも屈折しておらず、
のびのびと、自分たちのやりたいことに
挑戦している姿が、ぼくには新鮮だった、
ぼくは自ら挫折を希求していくところがあったので、
こんなふうに仕事をしていいんだ、
という驚きはすごかった、、
しかも、ふたりは、
いろんな人たちを素直に受け入れるというか、
開放的だったから、
ぼくに対しても、
「ちょっと事務所に寄ってけば」
と、何の屈託もなく誘ってくれた、
なぜだろう、そこから急速に付き合いが深いくなり、
ふたりとつながりのある男女の友人たちと飲みに行ったり、
室内プールへ泳ぎに行って帰りにみんなで飲みに行ったり、
男女数人で一緒にツーリングに出かけたり
(ぼくはそのころオートバイに乗っていた)
バタッチ夫婦は、ぼくの半田のおばあちゃん家まで
陶器をつくりに来たこともあるほか、
ヤマッチとは一泊二日で北アルプスを登りに行ったりした、
ぼくにとって、まさに第二の青春とも呼べる時間を
過ごすことができたのは、ふたりのおかげだった、
グリグリさんは「ちょっと来なさい」と
ぼくの腕を引っ張ってくれたが、
バタッチとヤマッチは、年齢が近いこともあって、
ぼくを仲間として受けれてくれたのだった、、、
ただ、彼らとの時間は本当に楽しかったが、
だからこそ、よけいに、
ぼくも没頭できる何かを見つけないといけないなという思いが
だんだんと強くなっていったのであった、、、