まずは防寒と日よけのためにかぶり始めればいい
帽子作家の山中章子さん

これは、かぶるというよりは、乗せる感じの帽子、、、
これをつけて街を歩くのは少し勇気がいるかも、、

名古屋の人はあまり帽子をかぶらない

──京都で帽子づくりを習ってからは、帽子づくりへと仕事をシフトしていった感じですか?

山中 成人式の髪飾りはたくさんつくりましたよ、、お花で、、、でも、帽子はね、帽子は、名古屋の人って帽子はあんまりかぶらないんですよ、、

── あ、そうなんですか。

山中 そうなんです、だからブーケはずっとつくってましたけど、、、名古屋の人は、帽子の代わりに、いい車を持ってらっしゃるので、、、あんまり歩く機会もないですね、家から車で出て、それでデパートかどっか行って、そのまんまだと帽子いらないんですよ、、

── そっか、、、ぼくはいつもかぶってるんですけど、、

山中 男の方はね、かぶってらっしゃるんですけど、、カジュアルなものを、、、、
でも、ブライダルで、ちょこっとは帽子をつくりましたね、、

──じゃあ、今の主な活動は?

山中 今は個人向けに帽子をつくって販売するのが主で、そのほか髪飾りコサージュもつくっています、、あと三越さんで年に2〜3回展覧会をやらせていただいています、常設の場所はここ(自宅アトリエ)だけなので、インスタを見て直接連絡いただく形です、、

オーダーしてまでつくろうという方は、頭が小さいか大きくて売ってるものでは間に合わないという方か、「この色で」「この形で」という思い通りのものが欲しい方が多いです、
年齢的には30代後半から70代ぐらいで、ほぼ女性ですね、

── 来年は東京での展覧会もあるとか、、

山中 1月に有楽町の交通会館でやります、三越でご縁のある方に紹介してもらいました、名古屋でいいギャラリーが見つからないんです、、ファインアートしかやりません、と言われたりして、、もうちょっと違うところがあれば、と思っているんですけど、、

名古屋の人はあまり帽子をかぶらないというけれども、
カジュアルな帽子は若い人もよくかぶっているのではないだろうか、、
まあ、でも、たいていキャップだけど、、
こういう帽子に、カジュアルな服装も合うんじゃないかなあ、、

最近、心が動かなくなってきている、、、

── 30年、帽子をつくり続けてきて、変わったことありますか?

山中 自分の中でつくってるものは多分少しずつ変化してます、、まあ、多分うまくなってます、、
ただ、昔は本当にこれつくってみたいとか、ワクワクすることとか、なんか心が動くことあったんですけど、だんだん鈍感になってきて、最近、心が動かないんです、、だから、何か心動くものはないかしらっていうのは、感じますね、、、

この年になってくると、、そう滅多なことじゃ感動しないですよ、、ときめきが少しずつ少なくなってきますね、、

――ときめきという言葉を聞くと、いつも思い出すのが王貞治さんの言葉で、、すごく生真面目な印象だけど、人生を生きる上で大切なことは何ですか?という問いに対して、ときめきですね、と答えていたんです、、うわ、王貞治がときめきかよと思いました、でも、ときめき、大切ですよね、ときめいていたいです、、、

山中 だいぶ前、山上るいという先生の布花の展示会を見にいったときには、、もう、ものすごく心が動きました、、「えーっ、こんなのがあるんだ、これやりたい」と感動したことはありました、、

私が習ったのは、その先生の孫弟子ぐらいの方ですけど、山上るい先生の布花はもう、なんていうんでしょうね、ありえない花をつくるわけですよ、、心が動いて、ときめきました、、、そういう出会いは少なくなりました、、

── ときめきたいですね、ときめきを探しにいかないと、、、ぼくも最初に帽子をかぶり始めた時、なんか恥ずかしさが、、、帽子かぶって出かけることに恥ずかしさがあったんですけど、同時に、ちょっとときめきました、、そのあと、ずっとかぶり続けていくと、なんか自分の帽子になってくるのかなって、ちょっと体の一部みたいになると思ったんですけど、、、

山中さんの工房は大通りに面しているが、道を一本中に入ると小さな店がいくつもあって、
なかなか雰囲気のいい場所である、、ずっとここで帽子をつくり続けている、、

山中 帽子をかぶって出かけると、、「みんなが見てるような気がする」って言う方が多いですが、、、、、「そんなに見てませんよ」って、よく言うんです、、

よっぽど変な格好してたら見ますよ、あるいは、かっこいい時はさらっと見ますね、、、だから、かぶり慣れていない時は、まず家の中でかぶってみてください、それで食器棚のガラスとかに映った時に、帽子の角度をちょっとずつ変えると、多分自分のものになってくるから、それで慣れたら出かけてくださいって、よくお話します、、
まずは防寒と日よけのために必然でかぶり始めれば、慣れてくるんじゃないかな、、、

実は、、帽子づくりが大好き、というわけじゃない、、、

── 確かにそれはそうかもしれないですね。冬にフェルトの帽子かぶるだけですごい暖かいですもんね、、

山中 そう、あったかいんですよ、セーター1枚着たくらいに違います、、

── そうか、帽子をかぶらない人に対しては、とりあえず寒さとか暖かさを避けるために、しょうがなくかぶってみてください、そんな感じがいいんでしょうか、、、確かに、おしゃれのために帽子をかぶるのって、ちょっとハードル高いですもんね、、、

山中 多分、、、でも、「いい靴を履くと、その靴が素敵な場所に連れて行ってくれる」みたいに言うでしょ、、、それと同じで、いい帽子をかぶると、新しい自分に出会わせてくれるんです、、、

── 帽子をかぶる時に気を付けたいことはありますか?

山中 バランスですね。帽子だけが光っていてはいけないし、着るものとのバランスを考えることです、、振り袖に下駄を履かないのと一緒で、合わせるものを選んでほしい、、でもキメすぎなくていい、どこか抜いた方がこなれ感がありますし、
同じ帽子でもカジュアルな普段着にかぶっても、パーティーのワンピースに合わせてもいいと思います、、

かぶり方で言うと、横から見てまっすぐ、眉毛のあたりに来るようにかぶると、自然と姿勢が良くなるんですよ、ちょっと深くかぶりすぎると前が見えなくて、、、浅すぎるとコントみたいになる、、

こういう帽子を頭に乗っけて、街へ繰り出そう、、、

── 帽子をつくるのは、楽しそうではありますね、、

山中 実は、私は帽子が大好きでつくってるというわけじゃないんです、、、「つくること」が好きで、その中で帽子を選んでいる、、

大好きじゃないから偏らなくていい、とも思っています、、大好きだと「私の好きなのはこれ」という方向に向きすぎてしまうことがあります、、つくることが好きで、帽子がその中にある、という感じのほうが、色々なものをつくれるのかなと、、

山中章子さんのインスタ

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