毎日がハイクデイ その14

大野泰雄さんの俳句の14回目です、夏山とか夏隣という季語が美しい、
季語はどうしてうまれたのかだろうか、、
季節ごとの暮らしを大切にするという思いから、うまれたのかもしれないなあ、、(小出)

 登山アプリを開いて見ていたら、『人口重心地』なる耳慣れない言葉に出会った。少し興味をそそられググってみると、「日本の人口分布の平均的な中心点」とある。つまり、日本に住む人の一人一人が同じ重さと仮定して、北海道から沖縄までを秤にかけ、水平を保ったその支点となる地域、と言うことだろうか。資料に寄ると、二〇二〇年時点で、人口重心地は、岐阜県関市富之保となっている。総務省のほぼ五年ごとの国勢調査では、重心が少しずつ南東方面に移動しており、東京への一極集中が年を増すごとに進んでいることがわかる。二〇二五年の調査報告は未だ承知しないが、重心地は更に南東方向に進み、関市を出て、お隣りの七宗町を抜けて川辺町まで移動しているのではなかろうか。ならば今のうちに行って確かめるしか無い。で、出掛けることにした。
 目的地は、水晶山という山の中にあった。登山道は未整備だが、比較的歩き易く、登山口から約二十分ほどで到着。山道脇に天然石で作られた直径四十センチほどの球体のモニュメントが設置されてあった。抽象的な現代彫刻を匂わせるモダンなフォルムに、〝JAPAN’S POPULATION CENTER〟と書かれてあって、何か周囲の風景と馴染まぬ妙な違和感があった。しかし、おおよそ、モニュメントなんて、そんなものだろう。思ったほどの感慨も無く、確認の写真だけ撮って、そそくさと下山したのだった。

 ラーメン店「丸デブ」は、岐阜県柳ケ瀬の一角にあって、知る人ぞ知る隠れた名店だ。土、日は勿論、平日の昼でも開店前から長蛇の列。メニューは、中華そばとワンタンのみ。どちらも麺と具と汁が、器に並々と注がれて運ばれて来る。わたしが学生の頃は、店員の親指が汁にズブリと突き刺さって出されたものだ。丸デブの人気は、何と言ってもたっぷりの量と値段の安さにある。現在は、中華そば・ワンタン共、六百円となったが、それでも他店と比較して良心的価格だろう。因みに、わたしが学生の頃は一杯五十円だった。ところが……である。濃厚な味に慣れてしまった今時の人の舌には、少し物足りなさを感じるのではないだろうか。良く言えば、あっさり味。口の悪い人は、「こくもへったくれもない。」などと、悪態をつく。なのに何故こんなにも人気があるのだろうか。安くて量が多いと言った他にも理由はあって、ひとつには、創業以来一〇〇年間、変わらぬ味を守り続けて来たことにあるだろう。遠い昔の貧しかったあの時代の懐かしい素朴な味、おふくろの味なのだ。人は疲れて、一杯のかけそばのようなラーメンを、無性に食べたくなるのだ。贅沢に慣れてしまった日々の暮らしを戒めるように、わたしも時々出掛けることにしている。

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