先日、ほんとうに久しぶりに、何年ぶりかの編集者から携帯に電話がかかってきた、、、
もうあまりはっきりと顔が浮かんでこないけれども、、、
会社を定年で退職して、、、雇用延長で働いていたけれども、給料ががくんと下がってしまったから、
もうやってられないと思って会社を辞めて、今は予備校で古典を教えながら、
書籍の編集もやっていると話していた、、
ぼくはその時はじめて、その編集者が古典の専門家だったんだ、、、、と知った、、、
その編集者と一緒に、この地域の博物館の本をつくったり、自衛隊に関する本をつくったり、
それから個人の写真集なんかをつくったりした、、
あの頃はいろいろ、あちこち、行ったり来たりしていたなあ、、、
でも、その編集者は何を勘違いしたのか、ぼくに本の装丁の依頼をしてきたのである、、、
個人の書いた歴史本なんだけど、ぼくは駄文を書く人間で、装丁なんてできないはずである、、、
うん、一度、頭の中で考え直してみたけれども、たぶん、やっぱりできないと思う、、、
でも、困ったことに、デザイナーに依頼するほどの報酬がもらえないのであった、、、
弱ったねえ、、、まあ、しょうがないので、一度自分でやってみるかと考えた、、
少々お堅い会社の編集者だったので、奇抜なものを求めているとは思えない、
無難だけれども、ちょっとセンスいいなあと感じるような、そんな装丁を求めているはずである、、
ますます弱った、、、
そんなものぼくにできるはずないのである、、
だが、仕方がない、やるしかない、、、
ぼくはさらに追い込まれた気持ちになりながら、
適当にセンスがいいと感じられるような表紙のデザインを、こうかなあ、ああかなあと考えながら、
一応まとめてあげてメールで送信した、、、
しかし、案の定、反応は芳しくなかった、、、
なんか暗すぎるとか、、、結構容赦のない指摘を受けたのである、、、
電話ではあんなに低姿勢で頼んでおきながら、、、
けっこう遠慮のない言葉を吐くんだなあと少し落ち込み、、、
もうすっかりやる気を失せてしまったのであった、、、
もうこうなったら破れかぶれだと、しばらく連絡を取っていないデザイナーにメールをして、
なんとかしてくれとお願いをした、、
もちろん、極めて安価な報酬なんだけど、、、と付け加えて、、
そのデザイナーは、ぼくが久しぶりに連絡をしたことに喜んでくれて、
まあ、せっかく連絡をくれたんだから、やってあげるよ、と引き受けてくれた、、、
その後、しばらくしてデザイナーからデザインが届き、それを編集者へ送ると、
いやあ、感動しました、すばらしい、という返信が、、、
やっぱり餅屋は餅屋である、
それにしても、こんなふうに久しぶりに連絡を受けたり、連絡をしたりすることは、
どういう塩梅なのだろうか、、
その人の関係がぷっつりと切れて、、、もう連絡を取ることもないだろうと感じていた、、、
いや、そんな意識もなく、極めて自然に、おのずと徐々に下手へ去るという感じで距離が離れていったのに、
再び連絡を取り出して、また関係が復活する、、、
人間関係とは不思議なものである、、、
きっと、人と人の関係は常に変化している、、、
肉親でも親しい友人同士でも、、近づいたり離れたり、、その距離は常に一定ではない、、
遠く離れていたのになにかをきっかけに近づいたり、
親しい間柄の人同士でも、その距離は微妙に近づいたり離れたり、
人はそんなふうにして生きているのだろう、、
それをコントロールすることなんてできないし、、、それをまたコントロールしようと思うと歪が出る、、
何か別の大きな力によってそういうふうになっていると思うしかないのであり、、
ぼくらはその流れに乗るしかないのであった、、、
せっかく久しぶりにデザイナーに連絡をしたんだし、、、
このkinjoで何かやってもらおうかと思う、断られるかもしれないけれども、、、
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