台風接近中、ということで、
気分がそわそわする、
ちょっと怖くて、
非現実感がちょっとだけ混ざっている感じ、、
最近は、昔のように、
台風接近に伴って、
近所のみんなが台風の備えに追われている光景は
あまり見なくなった、
ぼくが子供のころは、
台風が来そうだとなると、
まず買い出しに行って、
それから飛んでいきそうなものを片付け、
いよいよ今夜来るぞとなると、
雨戸を閉めて、
なかには木製の扉に板を打ち付ける家もあったと記憶している、
昼間に直撃なら、学校が休みなるから
なんかうれしかったし、
夜ならそれはそれで、怖いのと、
わくわくする感じが入り混じって、
どん、と風が吹くたびに、
わあ、大声を出して、
そのあと、急にひっそりとして、
感情が上がったり下がったり、
でも、どこかで、わくわくしていたな、、
そのうち寝てしまっけど、、、、
翌日の朝、外に出てみると、
大きな木が倒れている、なあんてこともよくあった、
すごかったんだなあ、
友だちと話しながら、普段見ている風景の違った貌の出現に
なんかどきどきした、、
でも、いまは、そんな恐怖やどきどきした感じは、
あまりなくなってしまった、、
それは大人になったから、ということもあるだろうけど、
昔の木造よりも、ずっと家が丈夫になった、
という面もあるだろう、
ちょっとした風では
吹っ飛んでいくようなことはなくなった、、
風にガタビシ音を立てながら、
ひょっとすると屋根が飛んでいっちゃうんじゃないか、
という恐怖におびえながら、
わあ、と大声を上げたあの頃、
台風は今も昔も同じなんだけど、
ぼくはもう声を上げて、
驚かなくなってしまった、、、