毎日がハイクデイ その13

大野泰雄さんの毎日がハイクデイの13回目です。大野さんは、最近まで絵を描くことに集中していたようで、久しぶりの俳句です、大野さんの俳句と散文を純粋に楽しんでもらえるように、フォントにしました、、、ぼくは性悪女に出会ったことがないのですが、いるんですね、怖いもの見たさで、、一度会ってみたいなあ、、(小出)

 最近はよく見かけるようになった肘掛け付きのベンチ。左右両端に付いているものは以前からあったように思うが、最近のものは、ベンチを分けるように、中央部の一、二ヶ所に鉄製の肘掛けが取り付けてある。長いスペースを独り占めする身勝手な者もいるだろうから、ひとりづつ平等に分けて座れるようにしたのだろう。その意図は、わからぬ訳ではない。あるいは、足腰の悪い老人が立ちあがる際の介助、配慮と考えれば、ある優しさも感じられる。が、そのようなお役所的理由は、いくらでも付け加えることが出来る。そこに何か隠された悪意のようなものを感じるのは、わたしだけではないだろう。明らかにそれはホームレス対策であって、公共と言う名の弱者排除に外ならない。そこに弱い者イジメの後ろめたさが見え隠れするのが、極めて日本的でもあるのだが⋯⋯ 。しかし、いささか大げさに聞こえるかも知れないが、こんなところから小さなファシズムは育ってゆくのではないか。それが当たり前の光景となり、日常となって、少しづつ少しづつ知らぬ間に、わたしたちの心が壊されてゆくのだと思う。
 のんびりと昼寝もままならぬベンチなど、決して人に優しくはないのだ。

 初夏の里山を歩くと、必ず顔にまとわり付いてくるのが、まくなぎだ。二~三ミリ程の極めて小さな羽虫で、「めまとい」とも呼ばれる。吐く息と吹き出る汗の匂いをいち早く察知して、しつこく目の周りや顔にまとわり付く、実に鬱陶しい虫だ。払っても払っても切りがない。刺すようなことはしないので、その内諦めて彼らと同行することになってしまう。
 ひるがえって人間社会に目を向けると、いるいるこんな「めまとい」のようなヤツが。斯してわたしの身近かにも、これに近い女がいた。ストーカーとまでは言えないが、あらゆる口実を付けては、わたしに近づいて来た。男など色仕掛けでメロメロになるものと高を括っているような女で、わたしに下心のあることぐらい、とうにお見通し。正直わたしも一度ぐらいはと、巧妙な口車に乗せられそうになったが、われに帰ったのは、女の次のひと言だった。
 「あんたをメチャメチャにしてみたい。」
 その言葉は、女としての魅力を計る自己証明であり、わたしはその道具の一つに過ぎなかったのだと、一瞬にして理解した。
 性悪女と言うものは、男のやましい下心を嗅ぎつけて寄ってくるのだ。くれぐれもご用心あれ。

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