毎日がハイクデイ その5

 

大野さんの絵や立体作品、俳句と散文に通奏低音のように流れているユーモアの一端が、今回の「毎日がハイクデイ」で少しだけわかったような気がします。書は、書道女子のmayuzoさんとmayuzoさんの中学三年生の娘さんです。娘さん、すごく書の才能がありますね、きっと、、 
最初の俳句がmayuzo娘さんの書、次がmayuzoさんの書です。

 十六世紀のイタリアの画家アルチンボルドは、花や果実、魚や獣などを寄せ集めて、だまし絵のように肖像画を描く。私の推しの三大奇人画家の一人だ。ほかの二人、ボッスとアンソールも、とんでもない奇人だが、アルチンボルドの奇想と奇妙さは群を抜いている。確かな画力があるにもかかわらず(実際、普通の肖像画も沢山描いている。)何故こんな珍奇で風変わりな絵を描こうとしたのか。精神分析の理論に裏打ちされたシュルレアリスムの先駆けとも言われるが、私は案外、他愛のない遊び心から始まったのではないかと推測する。そこに諸謔、自謔の精神を読み取ることも出来るが、ちょっとやてみたら面白くなって、ハマってしまった。受けも良かったので、ついつい……。そう考えた方が、私の作品作りと同様で、楽しいではないか。

 細身の鼻の中央部に鷲鼻ほどでは無い、小さな突起がある。それは私が私の父から受け継いだもので、私の二人の子ども達にも又、受け継がれている。私たち親子は、その部分を「ぼこ」と呼んで、血の継がりを半笑いで確かめ合っている。子ども達はどうか知らないが、私はその「ぼこ」が好きになれない。時には嫌悪さえ抱く。私の父から受け継いだ身体的特徴のみならず、気質や性向、性癖にまで及ぶに至っては、恐れさえ感じてしまう。優柔不断、外面の良さ、ケチ臭さ、クチャラーなど、数え上げればきりが無いが、特に耐え難く心に焼き付いているのが、父のDVだ。酔って帰った父は、不満をぶつける母を子どもの目の前で殴り蹴り、髪を掴んで引きずり回した。その光景は、私のトラウマとなった。
 ずっと父を反面教師として生きて来た。父の歳をとうに越えてしまった今もだ。

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