しろ太の左目が開きづらい様子である、
おそらく自分の爪で眼球に傷をつけてしまったのだろう、、
以前と同じである、
家で目薬をさすというのは、嫌がってなかなか困難であるから、
結局、医者から薬をもらっても、させないのである、
どうしたものかのうと思案をしていても傷は治らないので、、、
まあ、とりあえずまた医者に診てもらうか、、、と、動物病院へつれていった、、
医者はそれほど混雑していなかった、、、
南米系の外国人女性、中型犬を連れている、、
それから60歳くらいの女性、大きな犬を連れている、、
それから、猫をカゴに入れている、、、おそらく母親と娘さんの二人、
それとぼくである、
しろ太は、小さな声で、アンとないている、、、
心細そうである、
ほどなく、しろ太が呼ばれ、診てもらうと、やっぱり眼球に傷がついている、
家で目薬や塗り薬は難しそうですか?
と聞かれて、はあ、とうなづく、、、
しょうがないので抗生剤の飲み薬をもらうことにした、、
最後に爪も切ってもらって、、これでしばらくは引っかかれても傷つかないだろう、
診察後、待合室で待っていると、
まだ20代前半の若い女性スタッフが、南米系の外国人女性に話しかけた、、
あのー、15分くらい待っていただかないといけないんですが、、、、
そうなふうに話しかけると、南米系の女性が、手をふってわからないという仕草をしてから、
スマホをなにやら触って、アプリを立ち上げ、
そのスマホを若い女性スタッフの口元に近づけた、、
すると、女性スタッフは、スマホに向かって、、、
あと15分くらい待っていただかないと行けないんですが、大丈夫ですか?
と、ゆっくり、はっきりした声で語りかけた、、、
そのあと南米系の女性はスマホの画面を見てから、
おう、ぜんぜんOKという仕草をした、、
翻訳アプリか、、
これから、こんな感じになっていくんだな、、、
もしかすると、犬語とか猫語とかの翻訳アプリもできるかもしれないな、、、
若い女性が、スマホに向かって、
もうちょっと待ってもらっても大丈夫ですか? と、話しかけると、
スマホから、アン、ミャア、アン、、アン、と鳴き声が出て、、
それを聞いたしろ太が、アンと応えるのである、、
いろんな人、いろんな動物が、スマホを介して会話をする、、、
いや、なんか、楽しいのか、楽しくないのか、混乱するのか、わけわからんなあ、、、
そんなことを夢想していると、
若い女性スタッフに名前を呼ばれて、診察料と薬代を払ったのだが、
その代金が5000円近くするのであった、、、
おまえ、おれよりもずっと手厚く診てもらえるなあ、しろ太、、、
カゴの中のしろ太に、そんなふうに話しかけると、
しろ太は、わかっているのか、わかってないのか、よくわからんが、、、
いつものように、アン、と、小さく鳴くのであった、、


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