爪を切る参談

しろ太の爪の切るのはなかなか大変である、、
粘着する毛布のようなものを手に入れて、それでくるんで動けないようにしてから、
それから前足だけを毛布から出して爪を切る、
そういう段取りは把握しているけれども、毛布にくるむことがそもそも大変なのであった、、、
逃げ回るしろ太を毛布を持ちながら追いかけ回して、
えいっと被せて抑え込むのだけれども、すぐに逃げられてしまうのである、、
そうなってしまうと、もはやかなり警戒しているしろ太を捕まえることは不可能である、、

昨日は九谷赤絵付け講座があった、
面相筆に絵の具をつけて、皿の上を走らせるのだけれども、なかなかうまく走らない、
昔はもっと勢いがあったし、細い線も描けたはずななんだけどなあ、、、
目もはっきり見えなくなっているし、指先も腕も動かなくなっている、、、
おいぼれになったものである、
これだから、しろ太を抑え込むのも難しいのだな、たぶん、、

午後からは人と会う約束があったのだけれども、
その人から連絡があって、ちょっと1時間ほど遅れそうという、、
1時間かあ、、この中途半端な時間をどのようにすればいいのか、
この身体をどこに置いておけばいいのか、まずそれを考えた、、
その日は軽自動車で出かけていたから、どこかに駐車して寝転んでいようかと思ったけれども、
そもそも軽自動車をどこに駐車させればいいのかが問題である、
どこかの駐車場といっても、何の用もないのに車を駐車してお金を取られるのは癪だから、
どこか無料でとめられるところはないかと思案すると、
近くに大きなイオンがあることを思い出した、

あそこならお茶のペットボトルでも買えば1時間くらいとめていても大丈夫だろう、、
ただその日は気温が高く、日差しも強かったので、
車の中でボケーっとしているのも少し苦痛だったのである、、暑いし、日焼けするし、、、
しょうがないので車を降りて店内へ、、、それからトイレに行って、ぶらぶらと店内を歩いていると、
フードコートに出くわした、、ここなら快適に過ごせそうだ、、、
平日の午後だから子どもたちもいないし、人もまばらである、、

ぼくはおもむろにポケットから文庫本を出して、読み始めた、、
平日の午後、フードコートで一人文庫本を読む男、、、
なかなか哀愁が漂う良い景色である、、、
結局、1時間ほどその場で本を読みふけり、、そろそろ行くかという感じで待ち合わせ場所へ、、

待ち合わせた人との用事を済ませて、その日はそのまま家に帰り、しろ太と対面、
しろ太は爪を切るために追いかけ回したことは覚えていないのか、
水に流してやろうという寛大な心持ちになたのか、
それともたんに餌がほしいだけなのか、
ぼくが帰ってくると、みやーと鳴いて足にまとわりついた、、

さて、どうやって爪を切ったらいいのか、
また押さえつけるのもなんだしなあ、、、

OFUSEで応援を送る

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてください

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次